本文
上市町浅生に所在し、細田守監督のアニメ映画作品「おおかみこどもの雨と雪」の主人公・花の家の舞台モデルとしても有名な「山崎家住宅主屋」と「山崎家住宅土蔵」が国登録有形文化財になりました。
令和6年7月19日に国の文化審議会文化財分科会による答申を受けていましたが、令和6年12月3日付け文部科学省告示第162号により、正式に国登録有形文化財となりました。
上市町では釈泉寺円筒分水槽に続き、2番目及び3番目の登録物件となります。
登録物件の概要
山崎家住宅主屋(やまざきけじゅうたくおもや)
山崎家住宅土蔵(やまざきけじゅうたくどぞう)
山崎家住宅は、上市町の市街地の南東山間の浅生地区に位置する農家。
平成19年に城ヶ平山の登山者ための休憩所として開放されて以来、「みんなの家」と呼ばれ地域交流施設として親しまれてきました。
平成24(2012)年7月に公開された細田守監督の映画「おおかみこどもの雨と雪」の舞台モデルとして、現在は特定非営利活動法人おおかみこどもの花の家が管理・公開し、毎年国内外から多くの人が訪れます。
主屋は敷地中央に西面して建ち、県東部に多い「マエナガレ」と呼ばれる切妻平入の大規模農家建築となっており、豪壮なつくりで、特に18畳の大広間は「ワクノウチ」造りが見事で、成の高い差鴨居(ヒラモンを四周に廻し、上部に根曲材の梁(チョウナバリ)を井桁状に組んだ梁組が見どころです。
主屋の南に位置する土蔵は、置き屋根形式の瓦葺で、米蔵兼家財蔵として使用されていました。妻側面に家紋等を付した重厚な外観で、旧家の屋敷構を構成しています。
いずれも明治期の県下の民家形式の発展過程を知る上でも貴重な建造物と言えます。
山崎家住宅主屋及び土蔵の全景
山崎家住宅主屋 大広間の井桁状に組まれたチョウナ梁