本文
「ゆれやすさマップ」は、平成20年に上市町が富山県内の自治体で初めて作成したもので、地盤の強度を調査し、地震が発生した際の揺れやすさの度合いを想定して、地域ごとに示したものです。
地震の揺れは、一般的にその規模(マグニチュード)が大きくなるほど、また、震源からの距離が近いほど大きくなりますが、実際には規模や距離が同じであっても、表層地盤の強度の違いによってその揺れは大きく異なることから、マップ作成に当たっては、内閣府の中央防災会議の手法を適用して、(1)活断層(両側のずれの見られる地質現象のうち、将来も活動が起きる可能性のあるもの)の分析、(2)微地形区分(地質区分)の調査、(3)ボーリング資料の判定を総合的に取り入れています。
ゆれやすさマップでは、上市町の全域を50メートル角にメッシュ分割し、それぞれの揺れやすさの度合いに応じた色で示してあります。須山川と大岩川の上流部分付近では比較的揺れやすい傾向が見られ、他の地域よりも注意が必要ですが、上市町全体としては、揺れやすい地域は極めて少ない結果となっています。ゆれやすさマップのような揺れは、今後30年以内の発生確率が0.4パーセント以上とされています。
実際、平成16年10月に発生した新潟県中越地震、平成19年3月に発生した石川県能登半島地震、同年7月に発生した新潟県中越沖地震といった近年発生した大規模な地震においても、当町で観測された震度は、隣接する市町村よりも小さいことから、地震に対する安全性が高いといえます。
しかし、地震災害はどのような形で、いつ起こるかは想定できません。大型家具の固定といった簡単なことや住宅の耐震診断・耐震補強など、地震に対する日頃からの備えが被害の軽減につながります。
この「ゆれやすさマップ」の完成により、地震に対する住民の意識向上を促すとともに、上市町の住環境の安全性を内外に向けて発信できるものと期待しています。